轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たてごし
楯輿
山本 周五郎
「日本士道記」晴南社創立事務所、1944(昭和19)年12月
N1 · 挑战 · 新字新假名 · 8,377 字 · 17 页
「明日お訪ね申したいと存じますがご在宅くださいますか」かれはひたと相手の眼を覓めながらそう云った、勘兵衛はにっと微笑し、在宅するからいつでもまいれと答え、そのままなにごとも無げにそばの客と話しつづけた。
その翌日、長尾勘兵衛の家はつねになく客が多かった。みんな昨日の与八郎の挨拶に興味をもって、なにかひと荒れあるだろうという期待でやって来たのだ、――うまくゆけば果し合になるだろう、そんなけしからぬことを囁く者さえあった。神原与八郎が来たのは午すこし前だった。客間へ通して勘兵衛が出ると、待ち構えていた客たちはそれと云わんばかりに、みんな黙って耳を澄ませた。ところがかれらの期待はみごとに外された、あまりに外れすぎてあっといったくらいである。ひととおり挨拶が済んでから、改めて与八郎が云いだしたのは縁談だった。「……作法にはかないません、しかるべき人を立てて申上げるのが当然ではございますが、生涯の大事ゆえぶ作法ながら自分であがりました、ご息女を家の妻に申し受けたいのです、抂げておゆるしを願います」隣りにいた客たちも驚いたけれども勘兵衛もびっくりしたらしい。