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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
03 第三部
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 117,781 字 · 235 页
……とにかく探検しておくんだ。」
三人は畦道の枯草をふんで急いだ。行きつくまでには五分とはかからなかった。大沢の想像どおり、それは小舎だったが、真暗な三坪ほどの土間の半分には、藁がいっぱい屋根裏に届くほどつんであり、入口には戸も立てられるようになっていた。
「寝るぶんには、これだけ藁があれば十分だね。」
と、大沢は、しばらく考えていたが、
「しかし、ひもじいだろう。僕、もう少し歩いて家を見つけるから、それまで藁の中にもぐって寝ていたまえ。」
そう言って、彼は、さっさと一人で出て行ってしまった。
彼の姿が見えなくなると、恭一と次郎とは、急に寒さを覚えた。
「僕、そこいらから枯枝を拾って来ようか。兄さん、マッチある?」
「ないよ。大沢君が一つ持ってるきりなんだ。」
「チェッ。」
次郎は思わず舌打をした。
「マッチがあったって、こんなところで火を焚くと危いよ。」
恭一はたしなめるように言った。しかし、彼も飢えと寒さとで、もうがちがちふるえ出していた。
「寝っちまえ。」
次郎は、だしぬけに積藁にとびつき、すばしこくそれをよじ上った。そして一人でごそごそ音を立てていたが、