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しまでをかたる

死までを語る

直木 三十五

「話」1933(昭和8)年9月号~1934(昭和9)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 42,739 字 · 85 页

青空文庫

「一体、諸君は、英語を何の為に学ぶのかね」

と、喇叭みたいな声を出して、第一日、最初の口を切った。高師部の人々だから、皆おとなしい。黙って、答えない。すると

「おい、君」

真下の僕を、指さした。僕は、かっとなった。

「愚問ですね」

と、答えると共に、脂切って、肥った面がむかむかと、憎くなってきた。正面から、作三郎を睨みつけて、立上ると

「吾々は、小学生じゃありません。何のために学ぶかなどと、そんな質問をしなくてはならぬような幼稚な生徒に、何のために、教えるんですか」

と、やった。作三郎、さっと、真赤になると

「生意気だ」

と、云った。だが、さっきの喇叭の音のような明朗さがなく、咽喉に何かが引っかかっているような声であった。私は坐った。

「こういう生意気な生徒がいるから、質問したんだ」

私は、立って、教室を出てしまった。それ以来、内ヶ崎先生には逢わぬが、あの時の、人を見下げた態度というものは、いろいろの教師を知っているが、不快千万なものであった。

二十六

月末になってみると、何うも、五十銭の節約だけではやって行けそうにない。それで

(月謝を払わない事にしたら)