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さつじんめいろ

殺人迷路

甲賀 三郎

10 (連作探偵小説第十回)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,806 字 · 14 页

青空文庫

二人は互に相手が洋装の女の秘密を悟った事を知り、互に最早相手を撒く事が出来ない事を観念したのだ。

激しいノックの音に、中では返事する代りに、扉がグッと開かれた。

果して、そこには例の洋装の女がいた!

如月真弓は津村と村井の顔を見ると、見る見る、色蒼ざめて、ワナワナと顫え出した。そうして、口の中で、

「アア、とうとう――」と呟いた。

津村と村井とは、互に後れるのを恐れるように、犇めきながら部屋の中に這入って、扉をピッタリと閉めた。

真先に口を切ったのは村井だった。

「如月さん、真弓さん、知っている事をすっかり話して下さい」

津村は続いて、

「如月さん、あなたは宮部京子を殺した男を知っているでしょう」

「ああ、あたし――」

真弓は両手で顔を伏せた。そうして、フラフラと倒れようとして、辛うじて床に蹲まりながら、

「可哀そうな姉」と云って、忽ち激しい啜り泣きを始めた。村井はうなずいて、

「ああ、やっぱり、あなたは俊子さんの仇を打ったのですね」

「え、え」津村は驚いて、「俊子とは、じゃ、真弓さんは」

「なくなった浦部俊子の妹さんさ。君はそれを知らなかったのかい」

「知らなかった。