轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

「文学界」1937(昭和12)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,355 字 · 153 页

青空文庫

と片付けた、そのアッサリし方が案外気に入って、少しおかしくなった。そして、この親を持つ子供はどんな子供かと、微笑しながら、かの女はあらためてまた青年に眼を移した。

煙草も喫わないそのむす子は、アイスクリームを丁寧に喰べ終えてから、両手を膝の上へ戻し、弱々しい視線をテーブルの上へ落して、熱心でも無関心でもない様子で、父親と知人の談話を聞いていた。

かの女はこの無力なおとなしさに対して、多少、解説を求めたい気持になった。

「御子息さまは……学校の方は……何ですか」

うっかり、何処の学校を、いつ卒業したかと訊きそうになって、こんな成熟不能の青年では、ひょっとしたら、どの学校も覚束なくはないかと懸念して、遠慮の言葉を濁した。すると案の定、老紳士は、

「どうも弱いので、これは中学だけで、よさせましてな」

と云ったが、格別息子の未成熟に心を傷めたり、ひけ目を感じている様子も見せず、普通な大きい声だった。それから質問のよい思い付きを見付けたように、

「ときに、お宅のむす子さんは……たしか、巴里でしたな、まだお帰りにならんかな」

と首を前へ突き出して来た。この種の社会事業家によくある好意をもって他人の事情を打診する表情で「お子さんはもう巴里に何年ぐらいになりますかな。