轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
「文学界」1937(昭和12)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,355 字 · 153 页
マアテルリンクじゃありませんが、人生の幸福はやっぱり翼のある青い鳥じゃないでしょうか」
と規矩男は言葉の息を切った。
父はさすがにあれだけの生涯を越して来た男だけに、エネルギッシュなものを持っていた。知識や教養もあった。その総てを注いで理想生活の構図を整えようとした。
「いまにきっと、あなたにお目にかけますが、あの家の背後へ行ってごらんなさい。小さいながら果樹園もあれば、羊を飼う柵も出来ています。野鳥が来て、自由に巣が造れる巣箱、あれも近年はだいぶ流行って一般に使われていますが、日本へ輸入したのは父が最初の人でしょう」
父のいう人生の本ものという意味は、楽しむという意味に外ならなかった。自分は今まであまりに動き漂う渦中に流浪し過ぎた。それで何ものをも纏って捉え得なかった。静かな固定した幸福こそ、真に人生に意義あるものである。彼の考えはこうらしかった。彼は世界中で見集め、聞き集め、考え蓄めた幸福の集成図を組み立てにかかった。妻もその道具立ての一つであった。彼はこういう生活図面の設計の中に配置する点景人物として、図面に調和するポーズを若き妻に求めた。
鏡子ははじめこれを嫌った。