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みずしちけい
水七景
小川 未明
「童話読本」1948(昭和23)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,631 字 · 6 页
そうしたら、はいって、ご飯のしたくをします。」と、母親は、答えました。
日が、だんだんと、西へかたむいて、水の上が、かげりはじめました。
そのとき、川上から、新しい菜の葉が、流れてきました。
「お母さん、どこで、菜を洗っているんでしょうね。」
「さあ、どこの家でしょうね。どこでも、このお天気のうちに、菜をつけるんですよ。きっと、このあとは、雪がふりますからね。」
ふと、このとき、少年の頭に、ほかでも、こうして、母親をまっている、子どものあることが、うかびました。
*
庭先の、大きな水盤には、夏から、秋へかけて、まっかな、すいれんの花がさきました。
また、きんぎょと、めだかが、なかよく、泳いでいました。
そのころ、毎日、一ぴきのはちが、水をのみに、とんできました。はちは、すいれんの、まるい葉のまん中へ、おりました。それから、水にひたる、葉のふちまで歩きました。
いつしか、秋が深くなると、すいれんの葉は、黒くくちて、水の底へしずみました。また、はちも、どこへいったか、こなくなりました。けれど、水盤の中では、あいかわらず、きんぎょと、めだかが、泳いでいました。