轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みずとりてい
水鳥亭
「別冊文藝春秋 第一五号」1950(昭和25)年3月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,705 字 · 62 页
サラリーは時の公定価格で、教員よりは良かっただけである。
野口は親切であったが、キンチャクの紐をゆるめない男であった。そして彼が使用人たちに敬語で話しかけるのはケチンボーをおぎのうためだと言われても仕方がない程度にケチンボーであった。彼は亮作に産報のビールの券や、食券などを与えたが、飲食するには亮作が金を支払わねばならない性質のものであった。人々は(亮作も)それを野口のケチンボーのせいにしたが、そうしないよりは親切であったに相違ない。
克子の言葉が正しいことを亮作は知っていたのである。野口は日曜ごとに別荘の畑のものやイワシなどを持参してくれて、なんでもないことのように置いていったが、会社での午休みのひとときなどに、伊東ですら、一匹のイワシを手に入れることが、すでにどれほど困難であるか、さりげなく言うのであった。
一度や二度は我慢ができた。しかし、黙っていれば、おそらく毎日くりかえすだろう。
「エンジンのついた船はですね。それが焼玉エンジンですよ。みんな輸送船に徴用されています。若い漁師は戦争に持ってかれ、年寄まで船と一しょに徴用ですよ。それで千人食べられるだけイワシがとれたらフシギですよ」