轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本綺堂『江戸情話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:籠釣瓶、箕輪心中、両国の秋、心中浪華の春雨、鳥辺山心中。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 203,779 字 · 407 页
そこへ続いてほかの茶屋の女中もあがって来た。そこで、いよいよお引けという場合にはどっちが本座敷へはいるかという問題について、茶屋と茶屋との間にまず衝突が起った。
たとい初会であろうとも、自分の方がひと足さきへ大菱屋のしきいを跨いで、帳場にも声をかけてある以上は、自分のうちの客が本座敷へはいるのは当然の権利であると、ほかの茶屋の女中は主張した。
駿河屋の女中は相手の理を非にまげて、こっちは昼間からちゃんと花魁に通して座敷を仕舞ってあると強情を張った。
どちらも自分のうちの客を大事に思う人情と商売上の意気張りとで、たがいに負けず劣らずに言い争っているので、番頭新造の手にも負えなくなって来た。駿河屋の女中は自分の方の旗色がどうも悪いと見て、急いで家へ飛んで帰って、女房にこの始末を訴えた。女房も直ぐに出て行った。事はいよいよ縺れてむずかしくなったが、肝腎の綾衣はいうまでもなく駿河屋の味方であった。
彼女はさっき帰ったばかりの外記がまた引っ返して来たのを不思議のように思ったが、そんなことはどうでもいい。当座をつくろうでたらめに、外記はまたすぐ出直して来ると確かに言い置いて行ったのを、誰にも言わずにうっかりしていたのはわたしが重々の不念であったと、彼女は自分ひとりで罪をかぶってしまった。