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うみからきたつかい
海からきた使い
小川 未明
「少女倶楽部」1925(大正14)年1月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,149 字 · 13 页
人間が、天国のようすを知りたいと思うように、天使の子供らはどうかして、下界の人間は、どんなような生活をしているか知りたいと思うのであります。
人間は、天国へいってみることはできませんが、天使は、人間の世界へ、降りてくることはできるのでありました。
「お母さま、どうぞ、わたしを一度下界へやってくださいまし。」
天使の子供は、母親に頼んだのであります。けれど、お母さまは、容易にそれを、お許しになりませんでした。
なぜなら、人間は、天使より野蛮であったからです。そして、我が子の身の上に、どんなあやまちがないともかぎらないからでありました。
「どうぞ、お母さま、わたしを一度下界へやってくださいまし。」と、幾度となく、その小さな天使の一人は、お母さまに頼みました。
毎夜のように、地球は、美しく、紫色に空間に輝いていました。そして、その地球には天使と同じような姿をした人間が住んで、いろいろな、それは、天使たちには、ちょっと想像のつかない生活をしていると、聞いたからでありました。
「それほどまでに、下界へいってみたいなら、やってあげないこともないが、しかし、一度いったなら、三年は、辛抱してこの天国へ帰ってきてはなりません。