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うみからきたつかい
海からきた使い
小川 未明
「少女倶楽部」1925(大正14)年1月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,149 字 · 13 页
ちょうどこのとき、やさしい少女は通りかかったのです。
「なんという、人間は、浅ましい心をもっているのでしょうか。天国には、こんな考えをもっているようなものや、薄情なものは一人もないのに!」と思いました。
「おじいさん、わたしが、拾ってあげます。」と、少女はいって、銀貨や、銅貨を拾って、按摩の財布の中にいれてやりました。
年とった按摩は、たいへんに喜びました。
「今夜は、道が凍ってすべりますから、出まいかと考えましたのを、出たのでこんなめにあいました。まことにありがとうございます。」といって、幾たびとなく礼を述べました。
やさしい少女は、按摩の手をひいて、家へつれていってやりました。
家では、おばあさんが、こんなに寒く、道がすべるからけがでもなければいいがと心配していました。そこへ、按摩のおじいさんは、少女に手をひかれて帰ってきました。
おばあさんは、おじいさんから、今夜少女に助けられた話をきくと、たいそう感心して厚くお礼を申しました。二人は、少女に、どうか上がってくれといって、家へいれて、火をたいて暖かにして少女をいたわりました。
「お嬢さんは、この町の人ではないようですが、お家はどこでいらっしゃいますか。