轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいしんあん
清心庵
泉 鏡花
「新著月刊」1897(明治30)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,494 字 · 26 页
さあ、黙っちゃあいられやしない。
こうこういうわけですから、尼様と御一所ではなかろうし、誰方とお二人でというとね、
(可愛い児とさ、)とお笑いなすった。
うむ、こりゃ仔細のないこった。華族様の御台様を世話でお暮し遊ばすという御身分で、考えてみりゃお名もまや様で、夫人というのが奥様のことだといってみれば、何のことはない、大倭文庫の、御台様さね。つまり苦労のない摩耶夫人様だから、大方洒落に、ちょいと雪山のという処をやって、御覧遊ばすのであろう。凝ったお道楽だ。
とまあ思っちゃあ見たものの、千ちゃん、常々の御気象が、そんなんじゃあおあんなさらない……でしょう。
可愛い児とおっしゃるから、何ぞ尼寺でお気に入った、かなりやでもお見付け遊ばしたのかしらなんと思ってさ、うかがって驚いたのは、千ちゃんお前様のことじゃあないかね。
(いつでもうわさをしていたからお前たちも知っておいでだろう。蘭や、お前が御存じの。)
とおっしゃったのが、何と十八になる男だもの、お仲さんが吃驚しようじゃあないか。千ちゃん、私も久しく逢わないで、きのうきょうのお前様は知らないから――千ちゃん、――むむ、お妙さんの児の千ちゃん、なるほど可愛い児だと実をいえば、はじめは私もそれならばと思ったがね、考えて見ると、お前様、いつまで、九ツや十で居るものか