轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
げんぞうがはら
源蔵ヶ原
山本 周五郎
「週刊文春」文藝春秋新社、1962(昭和37)年12月17日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,843 字 · 28 页
悪口を呟きながら、手酌で飲んでいた。
「宗ちゃん、いまの口っぷりを聞いたかい」と又次郎は宗吉に呼びかけた、「忠太のやつあいつもああいうふうな、いきなり人のぼんのくぼの毛を引っ張るようなことを云うんだ、いつだっけか、お光ぼうが酒の肴を聞き違えたことがあったっけ、鮪のぬたと云ったのに浅蜊のぬたを持って来た、すると忠太のやつは鼻柱に皺をよせて、本所じゃこのごろ浅蜊を鮪って云うようになったのかいってよ、――けっ、とっ替えろならとっ替えろでいいし、いやなら食わなきゃいいじゃねえか、なにもそんなひねくれたいやみを云うこたあねえや」
「そのときおれもいたよ」宗吉が云った、「なにも忠太に限っちゃねえ、人は虫のいどころで、結構いやみなことも云いたくなるもんだ、それよりおれが感心したのは、そのときのお光ぼうの受けかただった、あの少し大きな口を押えて、肩をすくめながらちょっと舌の先を出して、――あらいやだ、板場さんからもらったときは鮪だったのに、どこで化けたんでしょって、な」
「そうだっけ」又次郎はぐらっと頭を垂れた、「どこで化けたんでしょ」
そのときのお光のようすを思い描こうとする