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えんげきのようしき――そうろん
演劇の様式――総論
岸田 国士
「演劇講座第四巻 演劇の様式」河出書房、1951(昭和26)年11月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,091 字 · 22 页
ことに、浪漫主義の運動を境として、各種芸術分野の活溌な新生命の探究となり、演劇の領域もまた、その影響を受けないわけにいかなかつた。
文学的流派の消長は、そのまま、演劇の面に著しい波紋を投げたことは、既に他の巻において述べられたとおりであるが、その間、演劇独自の立場で、いろいろの試みがなされ、さまざまな種が蒔かれた。そして、そのうちのあるものは、演劇に新たな傾向をもたらした。
それらの種目をいちいちここで細かに挙げることはもはや繁雑にすぎるであろう。ただ、今日まで、一般に通用している名称だけをいくつか例にとつてみれば、次のようなものがある。
心理劇 人間心理の追求、解剖を劇的に取扱つたもの。
気分劇 舞台にある特殊な生活雰囲気をかもし出し、その気分的な味わいを生命とするもの。
夢幻劇 架空な物語を美しい幻想の世界として描いたもの。
神秘劇 人生の一事件に神秘主義的な解釈を織り込んだもの。
社会劇 現代社会の病根に批判を加えようとするもの。
問題劇 ひろく人生、社会の現実に即した問題をとらえ、論理的にその本体を究明しようとするもの。
思想劇 一つの新しい思想を提出し、作者の主張をこれに托そうとするもの。