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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
老博士の声は、まるで若者のように響いた。
四少年も、あっちへ走り、こっちへ走りして力を添える。
マートン技師と河合少年が、まるで二人三脚をやっているように、身体をくっつけ合って配電盤の方へ走る。
張は、界磁用抵抗器のハンドルにぶら下って、両足をばたばたやっている。
ネッドは――ああ可哀そうに頭から黒い油をあびてしまった。
山木は、鋼鉄の梁の上によじのぼり、そこに据えつけてあった大きな双眼鏡にかじりついて、外を見ている。
「……あと一万三千メートル。艇はすこし西へ流れた。……沙漠だ。広い沙漠だ。湖が見える。大きな輪がいくつも見える。何だかわからない……」
山木は、双眼鏡の中に入ってくるものをとらえて、片っ端から言葉に直す。
「まだか、まだか、マートン技師」
デニー博士の声が、爆風のように響く。その答はない。
「マートン技師。どうした……」
すると漸くマートンの右手があがった。と博士の肩がぶるぶると慄えた。
「重力中和機の全部。スイッチ入れろ」
「よいしょッ」
と、ぐぐぐぐッと地鳴りのような響がして、けたたましく警鈴が鳴りだした。
「ああッ」
「うーむ……」
エンジン室の全員が、電気に引懸ったように呻った。