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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
河合は、このときマートン技師のそばについていたが、技師が食料品をすこし食堂へ行って貰ってくるようにといったので、河合はいそいでそちらへ走った。
食堂へ入ってみると、張とネッドが、有機硝子の丸窓へ顔を押しつけて、外を一生けんめいに見ていて、河合の入って行ったのにも気がつかないようだった。
「おい、マートン技師からだ。ソーセージとアスパラガスとコーヒーを頼むぜ」
河合の声に、張とネッドはびっくりして後を振返った。
「へえっ。食べるどころのさわぎじゃないじゃないか」
と、ネッドが目を丸くした。
張の方は「よろしい」と答えて、厨房へ駆けこんだ。
「いや、腹がへっては駄目だ。今のうち食べられるだけ詰めこんでおけと、マートンさんはいうのだ」
「羨しいなあ。僕みたいな食いしん坊でも、今はビスケット一つ食べようとは思わない」
張が厨房から駆け戻ってきた。ソーセージとアスパラガスの缶詰と、コーヒーの入った魔法壜とを河合に渡した。
「ありがとう、ねえ、張君。これから先、いったいどうなるんだい」
河合は張に訊ねた。
「そんなこと、僕が知るもんか」
「牛頭仙人の力で、水晶の珠にうかがってみたらいいじゃないか」