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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
「あれかね。エフ瓦斯は毒瓦斯というほどのものでなく、軟い皮膚をすこしぴりぴりさせるくらいのものだ。しかし彼らをびっくりさせるには十分だったようだね」
マートン技師は、そういって微笑した。
興奮の地球
それからもエフ瓦斯の放出は、やすみなく続けられた。瓦斯の厚い壁は、壊れた宇宙艇をすっかり包んでいて火星人の襲撃から安全に保護していた。
一応危機が去ったので、デニー博士は、乗組員に交代で睡ることを命じた。
しかし博士は休養をとらず、これから火星人とどのようにして交渉に入ったものかについて、幹部の人々と会議を始めた。
それから一時間ほど経った後、艇内に歓呼の声が起った。
「無電が通じるようになったぞ。地球との無電連絡がとれるようになったぞ」
えっ、無電が地球へ届くようになったか。それと聞いた乗組員は、いそいで無電室へ集った。寝たばかりの連中も、寝台からはね起きて無電室へ駆付けた。
「もしもし、KGO局ですね。……そうですよ、危機一髪のところで墜落を免れて着陸しました。……皆おどろいていますって。局へ電話がどんどんかかってきますって。自動車で乗りつける人もある。