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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

彼らの運命はどうなるのだろうか。

高い跳躍

箱自動車は、沙漠の砂をけって進む。四少年は、瞳をじっと火星人の群に定めて、顔を緊張に硬くしている。

火星人の大群は、手に手に棍棒のようなものを頭上に高くふりあげて、怒濤のようにこっちへ向って押し寄せてくる。

箱自動車は、そのまん中をめがけて矢のように走って行く。

「おい、もっとスピードをゆるめた方がいいよ。でないと、火星人をひき殺してしまうかもしれないからね」

山木が、運転台に注意した。

「だめなんだ、これが一番低いスピードなんだ」

「そんなことはないだろう」

「いや、そうなんだ。火星の上では、重力が地球の場合の約三分の一しかないんだ。だから摩擦も三分の一しかないから、えらくスピードが出てしまうんだ」

「そうかね。そんなことがあるかね」

山木には、ふしぎに思えた。

そのとき河合が、あっと声をあげた。と、自動車は大きくゆれ、かたんとはげしい音をたてて停ってしまった。

「うわッ」

箱自動車の上に乗っていた張とネッドは、いきなり空中へ放り出され、あっと思う間もなくばさりと砂の中へ叩きこまれた。砂だったからよかった。もし岩であったら、頭をめちゃくちゃにくだくところだった。