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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

“太陽の子”号がニューヨーク郊外の新飛行場“火星”へ無事着陸すると、地球は――いや全世界は歓喜と興奮の渦にまきこまれた。デニー博士以下の乗組員たちは大統領に出迎えられ、光栄ある讃辞を受けた。また火星からの異形の使説団一行は大歓迎をもって迎えられた。

デニー博士は大統領の車に同乗して、はなばなしいニューヨーク入りをした。一行の上に、七色の紙が花のように降り、市民たちは家もすっかり空っぽにして沿道に集り、歓呼をあびせかけた。

山木、河合、張、ネッドの四少年は、例の牛乳配達車に乗って、行進の中に加わった。これがまたたいへんな歓呼で迎えられ、牛乳配達車の上は花束が山のように積まれ、絵の牝牛の首にも美しい赤と青と白とのリボンがつけられた。――張の予言は、たしかに的中したのだった。

それからデニー博士がどんなに盛んな歓迎攻めに会ったか、それは記すまでもないであろう。

しかしデニー博士は重要な仕事を持っていたので、火星使節団とわが世界代表との間に立って連日大奮闘をした。しかしその甲斐あって、双方の間にひろい協力の条約が成立し、地球と火星との定期航空路も共同経営をすることに決まった。