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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

これをネッドたちの方からいえば、宣伝効果百パーセントであった。

従って、この箱車が元の町はずれの野原へ戻って来たときは、後から町の閑人たちがぞろぞろと行列を作ってついてきたもんだ。

「ふん、しめた。これなら明日一ぱいの食糧ぐらいなら集まりそうだ」

猿の腰掛の上でネッドは胸算用をして、にっと笑った。

いよいよ占いが始まった。希望者は一列にならんで、自分の順序を待った。若い男女もあれば、老人もすくなくない。

箱の中では張が傷のいたみをこらえつつ、大車輪でもってすごい声を出しつづけた。

「牛頭大仙人さま。この間から見えなくなったわしの鍬はどこにあるだかねえ」

「汝家に帰りて、裏門より入り、そこより三十歩以内をよく探して見よ」

「へへへ、どうも有難う」

若者にかわって、足の悪い老人がのぞく。

「伺うだが、今年のわしのリューマチは左の脚に出るかね、それとも右の脚に出るだかね」

「今年の冬は、始めは左の脚に、後に雷が鳴って右の脚にかわる」

「へへへへ、これはおそれ入りました」

たいへんな繁昌ぶりである。笑声と歎声が入りまじってその賑かさったらない。張もネッドも大汗をかいている。