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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

う。だから多分博士は、張のいったことを今本気で信じているのではなかろうか。きっと、そうだ。すると博士の火星探険計画に、これから何か重大な影響を及ぼして来ることだろう。これはたいへんなことになった。

赤三角研究団

話はここで変って、赤三角研究団というものについて記さなければならない。

赤三角研究団とは、変な名前である。が、これにはその団員が研究衣の肩のところに、赤い三角形のしるしをつけているので、そうよばれる。本当のちゃんとした名前が別にあるのだが、土地の人は誰も皆、赤三角研究団とよびならわしているので、ここでも当分そのように記して置こう。

さて、この赤三角研究団は元気のいい青年たちで編成せられて居り、研究団の本部はアリゾナの荒蕪地にあった。そこからは遙かにコロラド大峡谷の異観が望見された。

荒蕪地というのは、あれはてた土地のことで、ここは砂や小石や岩石のるいが多く、畑にしようと思ってもだめであった。だから人もあまり住まず、雑草がおいしげっているばかり、鳥と獣が主なる居住者だった。そういうところに、赤三角研究団の本部が置かれてあったが、その建物は、この土地以外の人だと、どこにあるか分らなかった。