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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
七八人の人々が配電盤の前に集って計器の面を見入っている。抵抗のハンドルをぎりぎりと廻す。ぽっ! 配電盤のうしろから青い火が出る。配電盤の前に居た人々はあっといって後へとびのく。と、火が消える。すると人々は、またもや配電盤の方へ寄ってくる。変になったエンジンはまだ直らない。
人々の中に、一段と背の高い老人が交っていた。それこそ河合少年の見覚えのある火星探険協会長のデニー博士であった。
博士は、この前エリス町に姿をあらわしたときとは違い、目は鋭い光を持ち、頬は赤く輝き、たいへん逞しく見えた。彼は宇宙艇が地上を放れて以来すこしもこの室から去らず、エンジンの調子を直そうとして一生けんめいにやっているのだった。
このようなデニー博士の大奮闘にもかかわらず、エンジンは一向いい調子にもどらないのであった。
「ねえ河合君」とマートン技師が河合少年の肩へ手をかけていった。
「これだけの大きなエンジンを扱うのに、たった八人の技術者しかいないんだぜ。君が働いてくれるなら、どんなに助かるかしれない」
「ええ、働きますとも。しかし僕は何をすればいいのでしょう」
「それはデニー先生が命令される。