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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

おどろいたねえ。まるで化物屋敷みたいだ」

「ふうん、それはふしぎだなあ」

「だからこうして缶の上をお皿でおさえているんだ。気をつけてたべないといけないぜ」

「どういうわけだろうね、それは……」

河合はネッドから缶をうけると、ふたになっている皿を下へおいた。すると缶の中からにょろにょろと甘いおつゆが煙のように出てきた。そしてその下から、黄いろいパイナップルの一片がゆらゆらとせりあがってきた。

「ああこれだね。へんだなあ」

「早く、フォークでおさえないと、パイナップルが逃げちまうよ。さっきも調理場で、一缶分そっくり逃げられちまったんだ」

「なるほど、これはいけない。パイナップル、待ってくれ」

河合はフォークをふるって空中を泳ぐようにして、動いているパイナップルの一片をぐさりとつきさした。

これは一体どうしたわけだろう。

地球からもうかなり遠くはなれたため、重力が減ってきたせいである。重力が減ると、物質はみんな軽くなる。そのために、こうしたふしぎな現象が次々に起って、人々をおどろかせ、まごつかせるのであった。

当った予言

この日、デニー博士はついにコーヒーに追駆けられた。