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かやくせん
火薬船
海野 十三
「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页
なぜだ」
「雑草園には、あなたや私がいない方がいいのですよ。いりゃ、またそのすじのやつなどにつかまって、こっちも、したくない返事をしなきゃならない。われわれがいないで、みなに勝手に飲ませて、大いにわいわいさわがせておけば、官憲が調べようたって、手のつけようがありませんよ」
「ふむ、なるほど。それは名案だ。じゃあ、事務長をよんで、お前から上陸命令をつたえろ」
「よろしゅうございます」
こうして、二人の巨魁は、ノーマ号に残っていることになった。
一方、竹見は、サイゴンの町に急ぐと、医者をたずねてまわった。
だが、なにしろ深夜のことではあるし、竹見の風体がよくないうえに言葉がうまく通じないという有様で、医者に来てもらう交渉は、どこでも、なかなかうまくいかなかった。
(ちぇっ、ぐずぐずしてりゃ、ハルクの奴は冷くなってしまう!)
と、竹見は、気が気でないが、相手の病院では、一向うごく気配がない。でも、最後の一軒で、ようやく蛇毒を消す塗薬を小壜に入れてもらうことができた。
竹見は、それで満足したわけではなかったが、ハルクを、あまり永く放りぱなしにしておくこともできないので、ようやくにして得た塗薬の小壜を握ると、再び、倉庫へ引きかえした。