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かやくせん
火薬船
海野 十三
「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页
。
「なにか御用ですかい。こんどは、トップスルまで、十五秒半でのぼって御覧に入れますかい」
「だまって、わしについてこい。面白いものを見せる」
「面白いもの?」
どうせ、真直に面白いものではなかろうが、そういわれると、見ないではいられない。水夫の竹見は、ハルクの方へ、それと眼くばせしてから、船長のうしろにしたがった。
「まあ、入れ」
「はあ。ここは船長室ですか」
「ふん、それがどうした」
「いやに綺麗ですね。へえ、今夜はなにか始まるんですか。これは小型映画の機械じゃないですか」
竹見は、卓上にのっている小型映画の映写機をさした。
「ははあ、おまえ、なかなかインテリだな」
「いえ、わしは活動の小屋で、ボーイをしていたことがあるんで」
「なんでもいい。面白いものを見せるといったのは、サイゴンに入港する前、お前にぜひ見せておきたいフィルムがあるんだ。今うつすから、まあそこで見ていろ」
「えっ。船長さん、おどかしっこなしですよ」
竹見が、椅子のうえにこしをおろすと、室内がぱっとくらくなって、スクリーンに映画がうつりだした。海の映画だ。
「あっ、あの船は!」
竹見は、おもわず、大きなこえを出した。