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むざん

無惨

黒岩 涙香

「小説叢」1889(明治22)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,602 字 · 56 页

青空文庫

支那人は入毛をするのみならず夫で足ねば糸を入れます、此入毛と云い此縮れ具合と云い是が支那人で無ければ私しは辞職します、エ支那人と思いませんか」荻沢は一応其道理あるに感じ猶お彼の髪の毛を検めるに如何にも大鞆の云う通りなり「成るほど一理屈あるテ(大)サア一理屈あると仰有る柄は貴方も最う半信半疑と云う所まで漕つけました貴方が半信半疑と来れば此方の者です私しも是だけ発明した時は尚だ半信半疑で有たのです、所が後から段々と確な証拠が立て来るから遂に何うしても支那人だと思い詰め今では其住居其姓名まで知て居ます、其上殺した原因から其時の様子まで略ぼ分って居ます、夫も宿所の二階から一足も外へ蹈出さずに探り究めたのです(荻)夫では先ず名前から云うが好い(大)イエ名前を先云て仕舞ては貴方が終りまで聞ぬから了ません先ずお聞なさい、今度は傷の事から申します、第一はアノ背中に在る刃物の傷ですが是は怪むに足りません、大抵人殺は刃物が多いから先ず当前の事と見逃して扨て不審儀なのは脳天の傷です、医者は槌で叩いたと云いますし、谷間田は其前に頭挿でゞも突ただろうかと怪んで居ますが両方とも間違いです、何より前に丸く凹込んで居る