轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

むち

無知

中谷 宇吉郎

「現代教養講座第二巻 幸福と自由」角川書店、1957(昭和32)年1月10日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,776 字 · 16 页

青空文庫

そして困ることには、この無意識的な計算は、心の非常に深いところでなされるので、たいていの人は、それに気がつかないのである。

第二の要素は、相手を酔わすことによって、自分も心おきなく酔おうとする点にあって、これが最も無邪気な面である。しかしこの場合は、自分の楽しみのためという点が、最も強調される場合であるから、献酬の好きな人たちだけが集まり、家計に大した影響を及ぼさない範囲内でやる、という場合だけに限らるべきである。

第三は、相手を酔わし、自分も酔うことによって、親近感を深めようとする点である。この場合、直接の取引はしなくても、たいていは、これで得られた親近感を、何かの場合に利用しようという下心がある。「酒を呼んで、われなんじに到る」は、匹夫のすることである。「御高話拝聴致し度く」と丁重きわまる文面で、人を酒席に招き、酒が廻ったところで、「われ」「なんじ」の間柄になる。招かれた方も心得たもので、適当に乱れてみせ、暗黙のうちに了解が出来上がる。こういう現象は、今の日本では、日常茶飯事になっていて、それが社会の進歩を妨げ、国民の幸福を阻害している。これは、社会一般の無知に乗じているばかりでなく、やっている当人たちも無知なのである。