轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つばくろ(つばくろ)
燕(つばくろ)
山本 周五郎
「オール読物」文藝春秋新社、1960(昭和35)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,395 字 · 52 页
のを待って老女が囁いた、「奥のお客間におとおし申しました」
「妻女だけか」
「はい」と云って老女はもっと声をひそめた、「新原さまがお亡くなりになった、と仰しゃっていらっしゃいました」
又左衛門は息を止め、驚きをしずめるように、ゆっくりと、吸いこんだ息を吐きだした。
中廊下の途中を左へ曲ると、右側に婦人用の客間がある。八年まえに妻が亡くなってから、殆んど使ったことはないが、深い土庇造りの縁側の向うは、横庭から湖水の一部を眺めることができた。――新原こずえは敷物からはなれて坐り、じっと湖水のほうを見まもっていた。膝の前には茶菓が出してあるが、手をつけたようすはなかった。又左衛門が静かにはいっていって坐ると、こずえは向き直って挨拶をした。
六十半ばとは思えないほど若わかしくみえる。小柄な躯はほっそりしているが、些かのたるみもない肌は艶やかに張っているし、髪の毛もたっぷりと黒く、青い眉の剃りあとや、その下に少しくぼんでいるつぶらな眼など、どちらかというと嬌めかしくさえ感じられた。
「それは急なことでした」又左衛門は話を聞いて悔みを述べた、「つい四五日まえに会って、今日の集まりの話をした