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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页

青空文庫

その実、この寄附金は、すべてニーナのふところから出たのであった。といっても、ニーナのお小遣から出たのではなくて、もっとえらい筋から出ているのであった。今後も、入用なだけの金は、いくらでも房枝に渡されることに、ニーナとの話がついていた。

次の日曜日が、花の慰問隊の大会ときまった。これこそ表面はいかにもうつくしいが、一度その内幕をのぞくと、そこにはターネフ一派の実におそるべき陰謀がいままさに行われようとしているのであった。それは、どんな大事件をもたらすのであろうか。ターネフが「もはや荒療治のほかなし」と放言したが、その荒療治の日は、いよいよ近くに迫ったのであった。房枝は、そんなこととは、夢にも思っていない。ニーナたちをうたがうどころではない、ニーナのかくれた美挙にすっかり感激し、ニーナをすっかり信じかつうやまっているのであるからまことに困ったものであった。

帆村探偵は、今なにをしているのであろうか。

そしてついに、その日が来た。花の慰問隊の大行進! 東京の工場という工場が、うつくしい花束や、おそろしい爆薬を秘めた花籠で飾られる日が来たのであった。

あやしき見張