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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页
「ほほほほ。そうだったわねえ。梅に鶯なんて、ほんとうにめずらしくない模様だわ。ほほほほ。でも」
つりこまれたように、房枝は高らかに笑ったが、そのあとで、やはり小首をかしげる房枝だった。
「あーら、いやな房枝さん。まだ、はっきりしないの」
「でも、あたし、この模様、たしかに見覚があるのよ。もうこのへんまで思い出しているんだけど、そのあとが出てこないのよ」
房枝は、そういって、頸のところへ手をやった。スミ枝が栓をひねって、湯をじゃあじゃあ出しはじめた。
地下室の密議
そこは窓のない部屋だった。
壁のところには、配電盤や棚のようにかさねた高級受信器などの機械類が並んでいた。
二人の外人が、電信をうけていた。
どうやら、ここは地下室らしい。
ことんことんと、靴音が近づいてくる。階段を下りてくる音らしい。一人ではない。二、三人であった。
入口の扉についているベルが鳴った。
扉がひらいた。
電信員がふりかえるとその目の前に、ぬっと現れたのは、ターネフ大佐とニーナ嬢、それにワイコフ医師の三人づれだった。電信員は、はっと敬礼をすると、また元のように機械の方を向いて、電鍵を叩きだした。