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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页

青空文庫

この陰謀の巣の地下室は、どこにあるのかと思うと、これが意外にも意外、例のうつくしい花壇の真下にあるのであった。

時間の歩みのおそろしさよ。

未曾有の大事件は、刻々近づきつつある。

帆村探偵は、どこにいるのか。トラ十はどこへ逃げたのか。

ここに、ただ一つふしぎなるは、例の美しき花園に水を撒く庭番が、いつになく帽子を深々とかぶり、そしていつになく忠実に花の間にうずまって、仕事に精を出していることであった。

夫人のなげき

花の慰問隊は、一せいに日比谷公園から、進行を開始した。ターネフ首領邸から、ここへ運ばれてきてあった数千のうつくしい花束と花籠とは、少女たちの胸に抱かれ、飾りたてられたトラックの上にのせられ、そこから全市の各工場地帯に向かって出発したのであった。房枝の組は、城南方面であった。

この方面には、十台のトラックがつづいた。どの工場でも、工員たちから、ものすごい歓迎をうけた。

「まあ、きれいな花籠だこと」

「こんなに沢山もらっていいんですか。これはどうも、すみませんですなあ」

「いいえ。皆さんの御奮闘に対して、ほんのわずかの贈物なんですの。それを、たいへん喜んでいただいて、あたくしたち花の慰問隊一同、こんなうれしいことはございませんわ」