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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页
船長は、あらたまった口調で、帆村探偵にあいさつしたのであった。
帆村は、船長の申出を承諾した。
「はい、どこへでもまいります。さっきも御注意しましたとおり、早く手配をしないと、もう間に合いませんぞ」
おちつきのある中にも、帆村探偵は、雷洋丸に危機の近づいていることを、言葉を強めて重ねて船長に注意するのであった。
一輪ざし
房枝の目が、自分のあとをじっと追っているのを、知っていた帆村だったが、今は、房枝と語っているときではなかったので、彼は、船長の案内にしたがって、船橋へのぼっていった。
夜の航海ほど、気味のわるいものはない。くらやみの海面から、いつ、どのような無灯の船がぬっと現れ、行手を横断しないとはかぎらないのであった。宿直員は全身の神経をひきしめて、たえず行手を警戒しているのだった。
「船長」と、当直の二等運転士が、よんだ。
「おい、なんだ」
「今、無電室から、報告がありました。今夜はどういうものか、ひっきりなしに、本船へ無電がかかってくるそうです。非番のものまでたたき起して、送受信にとてもいそがしいと、並河技師からいって来ました」
「うーん、そうか。