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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页

青空文庫

「あの爆発事件のとき、どんな爆薬が使われたかを、私は調べてみましたが、それはどうやらメキシコで発明された極秘のBB火薬らしいのです。この火薬の秘密が、何者かの手によって外へ洩れて大問題になっているのです」

「ほう、BB火薬? どうしてそれと分かったのですか」

「いや、そういうことを調べるのは、私の仕事なんですからねえ」と帆村はいって、

「ミマツ曲馬団のトラ十の行方が知れるか、それとも松ヶ谷団長が正気にかえるかすれば、かなり事件の内容は明らかになり、誰が、そのおそるべき怪物であるかはっきりしましょう。また船員赤石も、何か参考になることを知っているでしょう」

「すると、このおそるべき怪物というのは、この船に今もちゃんとのっているわけですね」

「たぶん、そうでしょうね」

「え、たぶんですか。それはいったいどんな人間でしょう。外国人ですかねえ」

「さあ、外国人だろうと思うが日本人だか分かりませんが、とにかくここに一つ、はっきり名前を申し上げていい容疑者がある!」

「それが分かっているのですか。早くおしえてください」

「お待ちなさい」

帆村は、とつぜん席を立って、船橋の入口の扉を、注意ぶかく明けて外を見た。