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うしおんな

牛女

小川 未明

「おとぎの世界」1919(大正8)年5月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,915 字 · 10 页

青空文庫

村の人たちは、牛女の子供が出世をしたのを喜び、祝いました。

牛女の子供は、なにか、自分は事業をしなければならぬと考えました。そこで村に広い地面を買って、たくさんのりんごの木を植えました。大きないいりんごの実を結ばして、それを諸国に出そうとしたのであります。

彼は、多くの人を雇って、木に肥料をやったり、冬になると囲いをして、雪のために折れないように手をかけたりしました。そのうちに木はだんだん大きく伸びて、ある年の春には、広い畑一面に、さながら雪の降ったように、りんごの花が咲きました。太陽は終日、花の上を明るく照らして、みつばちは、朝から日の暮れるまで、花の中をうなりつづけていました。

初夏のころには、青い、小さな実が鈴生りになりました。そして、その実がだんだん大きくなりかけた時分に、一時に虫がついて、畑全体にりんごの実が落ちてしまいました。

明くる年も、その明くる年も、同じように、りんごの実は落ちてしまいました。それはなんとなく、子細のあるらしいことでありました。村のもののわかったじいさんは、牛女の子供に向かって、

「なにかのたたりかもしれない。おまえさんには、心あたりになるようなことはないかな。