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まきのとみたろうじじょでん

牧野富太郎自叙伝

牧野 富太郎

牧野富太郎『牧野富太郎自叙伝』。同一底本的分册已合并为一书。收入:牧野富太郎自叙伝、牧野富太郎自叙伝。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,045 字 · 185 页

青空文庫

と定めた。これは『日本植物志』の図の部の意味である。そしていよいよその第一巻第一集を自費を以て印刷し、これを当時の神田裏神保町にあった書肆敬業社をして発売せしめたが、それが明治二十一年十一月十二日で今から大分前の事であった。その書名は前記の通りであったが、これを欧文で記すると Illustrations of the Flora of Japan, to serve as an Atlas to the Nippon-Shokubutsushi であった。助教授であった村松任三氏は大変にこれを賞讃してくれて「余ハ今日只今日本帝国内ニ本邦植物図志ヲ著スベキ人ハ牧野富太郎氏一人アルノミ……本邦所産ノ植物ヲ全璧センノ責任ヲ氏ニ負ハシメントスルモノナリ」と当時の「植物学雑誌」第二十二号の誌上へ書かれた。

それが明治二十三年三月二十五日発行の第六集まで順調に進んだ時であった。ここに突然私に取っては一つの悲むべき事件が発生した。それは教授の矢田部氏が何の感ずる所があってか知らんが、殆ど上の私の著書と同じような日本植物の書物を書く事を企てた。そこで私に向こうて宣告するに今後は教室の書物も標本も一切私に見せないとの事を以てした。