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どくほんどじょうりくさくせん
独本土上陸作戦
海野 十三
――金博士シリーズ・3――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,443 字 · 19 页
「ふん、大いにやっとるな」
と、ゴンゴラ将軍は次の報告書を取上げる。
「金博士は、本日午後二時十五分より、カセイ・ホテルに現れ、飲酒三時間に及べり。午後五時三十分、退出す」
「よく飲むなあ。身体をこわさなきゃいいが……」
次の報告書には、こう書いてあった。
「金博士は、本日午後五時四十五分、ピカデリー街に於て、数名の東洋人に襲撃せられ……」
「おや、これはニュースらしいニュースだ」
と、総指揮官は、思わず前に乗りだして、さてその次を読むと、
「……街上に於て、ウィスキーのラッパ呑みを強要されしが、それより博士の提案により、会場をコルコット街裏通りのバー、ホーンに於て一同揃って痛飲会が開催せられることとなり、同夜午後十一時まで、通計五時間……」
将軍は、苦り切って、その報告で洟をちんとかむと、紙屑籠へ投げこんだ。
「金博士は、地酒窟ランタンに現れ、午後十一時十五分……」
どこまで読んでいっても、金博士が酒を飲む報告書ばかりであった。将軍は、うんざりしてしまった。
気をつけていると、毎日毎夜、集ってくるどの報告書も、飲酒の実績報告ばかりであって、その中に只の一枚も、「金博士は、机に向い、設計用紙を前にして、計算尺をひねりつつあり」