轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ねこせんせいのべん
猫先生の弁
豊島 与志雄
在线阅读豊島 与志雄《猫先生の弁(ねこせんせいのべん)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,898 字 · 8 页
猫には、体臭というほどのものは殆んどない。その上、隙さえあれば、体の汚れを嘗め清める。更に感心なことには、体を嘗めているとどうしても脱毛を呑み込むし、それが胃袋にたまるので、時々、笹の葉やそれに類する草の葉をわざと食い、それで食道や胃袋をくすぐって、毛を吐き出してしまう。これは人間にも出来ない芸当だ。毒物に対しても極めて敏感で、誤って呑み込んでもたいてい自分で吐き出してしまう。このような点でも、犬の方がずっと野蛮ですよ。」
犬の先生――「それは、猫の方が本能的に敏感だということに過ぎないし、人間の住宅に侵入してきたのも、単に性質がずるいということに過ぎない。飼養動物としては、猫の方は野性的だが、犬の方は人間の生活によく順応してつまり、進化の度が高いと言えるでしょう。」
猫の先生――「猫は本来立派だから、進化の必要がなかったのです。第一、犬は全色盲ですよ。全色盲ということは、つまり灰色の世界に生きていることで、情けないじゃありませんか。」
犬の先生――「え、犬が色盲ですって……。」
ここで、美術学校教授の犬の先生は、止めを刺された形である。もっとも、犬が色盲だということは確かでなく、書物で読んだか人に聞いたか夢に見たか、猫の先生にもあやふやで、いい加減に言い出したに過ぎなかった。