轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
11 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 页
太郎の疎開は皮相的な一身の安全を期す以上の意味があります、何をやらしても何だか頼りない連中の次に、すこしは物にたじろがない、ものと生活を知っている活力ある世代が、こうして田舎で育つというのは微妙な自然の法則のようです。少くとも咲はよくよくこの大きい意義を知り、責任を感じ又よろこぶべきです。フラフラ子供をつれて戻ったりしてはいけないわ、少くとも中学を出る迄ぐらいは。太郎の弱点であるくにゃりとひしゃげるところ(弱さ)が減って、小堅くかっちりとして来ました。生活があるからよ、あちらには。ここで、街上でのらくら遊んでいる空虚は害があるのです。東京にいると、生活がありません。何もさせない、親でさえ、十分はしないのですものね。田舎でそういう実行的な育ちかたをして、うちの、というのは、わたしたちの、よ、文化水準で教養を加えれば殆ど申し分ないわけです。太郎の将来の図書目録は、寧ろ太郎の素質が果してそれらをこなし得るやと思うくらい充実して居り、多方面であり、面白く且つ真面目ですから。去年スキーに行った結果は、要するにああいうスポーツのやりかたは、有暇青年風だという警戒でした、太郎はマせているから宿やに平気で、それはよしわるしでした。