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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
11 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 页
生活意欲の表現として理性の代弁者として、憲法というものは、きわめて血の通ったものなのね、決して法律学生の端のメクレ上ったノートに丈ちぢこめられるものではないのね。今頃、とお笑いになるかもしれませんが、理性のありようのあれこれについて、痛切に感じるところがあるだけにあの歴史は面白いわ。生成過程が意識されて築かれたというところは印象につよく刻まれます、子供から発足したのでなくて成人からはじまったというところに。若い大人からはじまったというところに。長くなりましたからこれで。発声練習がすみましたから、又スタスタと暇々に書けます、では、ね。
十二月十九日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
十二月十九日
さあ、きょうから又一人よ。その点はまことに閉口いたしますが、こうして、すきな時に書いていることが出来たりするのは、これ又かけがえなきよろこびです。二十九日に帰って来て二十日いたわけね。昨夜は、徹夜してけさ四時頃出かけました。ずっと平均して働いておけばいいのに、のんべんとして(あのひとのことだから、きっと内心ではちっとも暇はなかったのかもしれませんが)いて、昨夜陶器の始末などやって五時十分かで出かけました。