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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

12 一九四五年(昭和二十年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,583 字 · 240 页

青空文庫

そういう世界の声、眼がまぢかに伝えられるのが、一区切りすると、近松門左衛門作忠臣蔵の舞台中継、さもなければ講談などというものがあります。

それらの間に挾って、わたしはそちらへの切符のことを思い、仕事を考えて居ります。

わたしは、ともかくどうしてもそちらへ一度行かなくてはなりません。いろいろの用事や相談にのって頂きたいこともあって。

いろいろの人が身のふりかた――身の上相談もあって。例えば、うちの知合で、芝のおじいさんがいたの御覚えでしょうか。その人の息子がわたしに会いたいのですって。これも身の上相談よきっと。就職についてでしょう。てっちゃんもあの勤めはなくなりましょう。わたしは、しかしいそいで上京し、たよりにならない相談対手を買って出ようとはして居りません。ともかく、そちらに行き、わたしは、勉強し書いてゆくことを益※(二の字点、1-2-22)旺盛にしたく、身の上相談の先生になろうと希望していないこともお話したいと思います。

仕事としてのスケジュールは又おのずから別です。仕事の点では十分計画をもってやって行きたいと思って居ります。当面、「昭和の十四年間」