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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

12 一九四五年(昭和二十年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,583 字 · 240 页

青空文庫

経済上の問題も深刻でしょうと思います。トラックを処分したりして目前にはいくらかのゆとりをおもちでしょうが、タバコと米配給の手伝い丈ではなかなかやれますまい。合同の方の仕事の権利を応召のときどういう契約にしていったか、それによっては代理として人を雇い、そのものにうちから月給を払って働いてもらうということも、これから先、人の余るときには可能でしょう、反面に不可能の条件もましますが。

こういう事情になって、そちらへは本当にいつ行けるのでしょう。しかし、今島田へゆくことに論議の余地はないと思い、そのようにいたします。私の判断で最善をつくしますから御心痛ないように。次々と様子をお知らせいたします。

九月十五日 [自注26]〔網走刑務所の顕治宛 山口県光市上島田より(封書 書留)〕

九月十四日

さて、この手紙は島田で書いて居ります。あの二階で。

五日に、切符が買えたとき埼玉県へ打った電報が六日にわたしの行ったときまだ着いて居ませんでした。七日に、てっちゃんとうち合わせの電報もつきませんでした。こちらへは、手紙を頂き、来る決心をしたときすぐ(四日)電報うちましたが、そのウナは、十三日(きのう)わたしが来ても着いて居りませんでした。