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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
03 一九三六年(昭和十一年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,453 字 · 101 页
十一月二十二日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
十一月二十二日 第二十信。
そちらからのお手紙を待っていたことや、小野さんが急逝されたこと[自注19]やで、この手紙はいつも書く筈の時より大変におくれました。
その後、お体はいかがですか。ずっと順に恢復をつづけていらっしゃいますか。この間面会のときお話のあった毛糸の足袋下をお送りしたら、もうかえって来ました。領置には出来なかったのでしたろうか。十二月に入ってから又お送りして見ましょう。それからかけ蒲団のあつさはいかがです? やっぱり薄いとお感じでしょうか。夜着の上からでしたらあれでよいのではないかとも思うが。――
本は注文なすった分がありましたろうか。
鑑子さんの旦那さまは一昨二十日払暁没しました。足かけ三年の病臥の後です。二十日に重治さんから教えられて、咲枝、稲ちゃんと三人で出かけ(大森)夜十二時頃かえるつもりで行ったのですが、いかにもかえりかねてお通夜をしました。知義さん、須山さん[自注20]、大月さん[自注21]等肖像をかきました。二十五日に築地で劇団葬[自注22]にきまりました。