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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

04 一九三七年(昭和十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页

青空文庫

、云うまでもないことなのだし、よろこびをもってしていることも云えば滑稽な位のことなのだし、マア折々御辛抱下さい。ああ、私は、ユリは間抜けだね、と云われることも時と場合では本当に大歓迎なのだから。非常に快適な雨の粒のようなのだから。

◎玉子のこと、サンドウィッチのこと、申しておきました。すみません、すみませんと云っていました。

それから、一番もっと伺いたくて中途半端になっていたXのこと。貴方のお手紙で、きっといろいろ私によく分るだろうと楽しみにして居りますが、お話しの要点は、私にも分りました。Xの生活を助けてやるのはよいが、一つ家にいて、そこへDさんが良人としての資格で来ることについてあなたのお感じになる心持。

簡単にいきさつを辿ると、XとDさんとの間にそういう感情のいきさつのあったことも、まして、結婚の意志があることも、私には全く告げられず、只歳末に近づいて、Xへの送金が農村の大不況のため途絶した、困った、どうしたらいいでしょうと云うことでした。一方、林町の家は改築する[自注5]のでいずれ私はどこかへ移る必要がある、では、私と一緒に暮して見るか? それに越したことはない。