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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

04 一九三七年(昭和十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页

青空文庫

私たちの生活が段々深められ成熟して、二人をおく条件に阻害されることが益※(二の字点、1-2-22)減って来るということは何という歓びでしょう。私たちはこうして自分たちの不動な幸福をつかんで行く。そしてつかんだものは決して手離すことなく豊饒になってゆく。ユリのそのキャパシティーを鼓舞して下さい。

おみそ汁が買えることは知らなかったからああそれはよかったと、口の中にいい味がした。沢山は発酵するがすこしずつはきっといいのではないでしょうか。私がこしらえた辛い辛いおみそ汁!

Tさんたちのことは、私もいろいろ心配して居ります。いつも互のなすり合い以上のところに原因があることを云っているのですが。――こんど又書きましょう。しかし本当に合点させることは容易ではないでしょう。

私は昨今仕事の参考に必要になっていた『日本文学全史』(東京堂)久松潜一の『日本文学評論史』(上下)等を買いました。何しろ「もののあわれ」「ますらおぶり」が一部のアプ・トゥ・デイトですからね。久松氏の仕事は箇人でだけ問題を見ている範囲ではあるが、私の欠けている知識は与えます。それから、カールの書簡集の部分などぬけたままになっているから、其を補充します。