轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

04 一九三七年(昭和十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页

青空文庫

十月十二日。こういう景色が山の頂上から見晴せるわけだったのですが、雨で濛々。平野の上にもくり、もくりと山が立っている、この地方の眺めは或特色があります。屋根を藁でふいている、その葺きかたが柔かくて特別な線をもっている。人気はよくない。善通寺というところも通りました。松山へは時間がなくてゆけず。いつか又別に参りましょう。道後にもゆきたい。ぜひ行って見たい。小母さんのお伴で琴平も見たわけです。

十月十五日夜 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

十月十五日 夜 小雨。

今夜は愉しい夜の仕事。――十四日の夜八時二十一分かの上りで島田を立って十時四十分頃広島。そこで一時間余待って、夜中の〇時二分の特急ふじで十五日、きょうの午後三時二十五分東京着。寿江子と栄さんが迎に来てくれていて、その足で裁判所へまわり、島田の半紙へ書いてもって来た許可願に印を捺して貰いました。あしたお会いするために。そして目白へかえって来て、お土産の松茸だのくりだのを皆にわけていたら、留守番をしていてくれた雅子さんがお手紙を出して来た。

栄さんがかえってから、二階へあがって来て、一週間ぶりに机に向い、くりかえし、くりかえし、又うち返して読んだ。