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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

04 一九三七年(昭和十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页

青空文庫

おつぎ山本安英。勘次薄田。平造本庄。これは勘次が平造のキビの穂を苅って見つかったところ。

大体面白く見られました。満員。壽夫さんに逢いました。呉々よろしくとのことでした。

十一月十一日夜 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

十一月十一日の夜。 第三十六信

(きょうはじめて勉強部屋へ火鉢を入れました。今鉄びんの湯が煮えたっていい音を立てている、但しこの湯はのめず。咲枝がさびさせてしまったのを持って来たのだから。オ薯のシッポでも煮てアクを抜カネバナラヌ)

十一月二日のお手紙がけさつきました。この頃は先のうち、一週に一度ずつ日曜日か月曜ときめて待っていた心持はなくなって居るけれども、やはり朝第一に、ホーサンで眼を洗うより先に、テーブルの手紙束をひっくるかえすのを見ると、結局絶えず待っているということになる。慢性なり。

秋晴れのような明るさと澄んだ力のある手紙をいただいて大変大変うれしい。ありがとう。古い頃書いたものをそういう風に読んでいただいて、何と云っていいかしら。頬っぺたの両方へ、小さい灯がついたような感じです。それにつけても、『冬を越す蕾』、『乳房』