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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
04 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页
お互様に辛いことです。
小説は長いもののつづきのほかに、「築地河岸」25と「鏡の中の月」18とをかいた。今年はそれでも、すこしは小説を書いた方です。段々かけてくる。来年はもっと小説に重点をおきたいのですが、短いいろいろの評論風なものも、自分の趣向からばかりでなくやはり書く方がいいと思い(金のことに非ず)閉口です。十月には多分もう書いて上げたと思いますが、『新女苑』(祭日ならざる日々)12、『婦公』20、別に15あとこまかい文芸的感想30ばかり。本月はその三笠の一仕事を片づけたらあと短い小説20~30をかいて、あとはすっかり長い方のつづき。
「伸子」をかいた頃を考えると夢のよう。三月に一度ぐらいの割で60枚だの九十枚だのとポツリポツリ書いていた。
日本ペンクラブというのが十年から出来ていることを御存じでしょうか。会長藤村、教授翻訳家出版関係者、作家詩人という面々です。大変行儀がよくてキュークツであるところです。私がそこの会員にされました。夏頃そこと外務省とで女の作家の作品をドイツ語にするので送るのだそうで林、野上、宇野、私で、私は「心の河」。これはあなたのよく云っていらっしゃる『白い蚊帖』