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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
04 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页
あのまま木小屋があるしポストがあるし。おいなりさんの赤い旗が昔より大変賑やかにひるがえっていて通りの広さと云ったら。
この絵はがきの帯はなかなかいいでしょう? しめたいと思う、但し空想の中で。あなたに買っていただいて。エイセンは父の好きな陶工(クラシック)の一人です。国男さんから手袋をお送りいたしました。光子さんの子供は五つ、太郎より兄さんです。
十二月四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(安井曾太郎筆「承徳の喇嘛廟」の絵はがき)〕
十二月四日。安井曾太郎の画集の面白いのを文房堂で見つけましたからお送りいたします。画集中にこの絵の水彩のようなのがある。こっちにまで発展して来ている跡もくらべるとなかなか面白い。きょうは光子さんが油の方をしあげて、二人でその額ぶちを買いにゆきました。可愛い絵です。いずれ写真をお送りいたしますが、思いがけず今年の暮はいいものが出来ました。
十二月五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十二月五日 日 晴れて風がある。 第四十一信
十一月二十五日づけのお手紙をけさいただきました。お体はずっと調子を保っておりますか。