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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
04 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页
のためにかいている感想を書いてしまおうとしているからもあるのです。駅のすぐそばにいろんなものを売っている市場があるのを覚えていらっしゃるでしょうか。あすこへ行って、内側が紅で外が黄色っぽいバラを買って来て、三輪ばかりテーブルの上にさしています。
二月九日に書いて下すったお手紙の後の分をこの数日の間大変待っていました。島田へでもおかきになりましたか? 隆治さんのことは伺ったら、隆治さん自身は希望していないのだそうです。ひとの話で、いいようなことをきいて寧ろ達治さんの心持から一寸そんなことにもふれたらしい様子です。隆治さんはやはりお家の仕事の手助けをしていらっしゃるのだそうです。そちらへもお手紙がありました? お父上が、二月十七日頃工合をわるくなすったということ。一時はお驚きになったそうですが、よい塩梅に恢復なすったそうです。しかし、元通りということは出来ず、どっちかというと病症は前進している傾の御様子です。あなたが御心痛になるといけないとお母様は御心配ですが、私としてはあなたのお心持は十分わかっているつもりですから、御病状のこともこれからずっとあるとおりにお知らせいたします。