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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

十七日、初めて面会に出かけました。二十一日にゆき、二十三日にゆき、二十七日にゆき、三十一日に行って居りますね。十七日ごろからもう昼間床につくことはしなくなっていたと思います。それでも朝は床の中にぐずついていた。やっぱり九時前後でしたろう。宵っぱりをしていたとも思わない。二十九日六・三、三十日六・四、三十一日六であった。手帖にそう書いてある。二月一日からは気をつけてつけてあり起床についても平常に復しかけて居ります。

○これからは朝を七時にくり上げ、追々又六時に戻しましょう。この朝おき宵ねについてはまことに遅々たる有様ですが、昨今では、夜おそくなるのは段々実際上困るようになって来ているから、これでもあなたの勘忍袋の効果はあらわれているわけです。初めのうちは正直な話、ほんとうに誰のためにやっているのかとあなたに大笑いされそうにやっとこやっとこであったが。私だって、きっとひどいお婆さんになれば宵ねがすきで寝ていたくても寝ていられないと朝おきるのだろうと思うと可笑しい。そっちだけ大婆さんになる法はないでしょうか。

ああ、この間白揚社からブックレビューをしてくれと云ってバッハオーフェンの母権論という本を送ってよこしました。